昨日の質問者の意見について |
さて、昨夜に小規模な勉強会に招かれて講演をしてきたのですが、そこでの印象的なエピソードを一つ。
今回は私がいつも頼まれるような地政学の概論を話すようなものだったのですが、前半の内容は「なぜ日本人は戦略が苦手なのか?」というもの。
すでに本ブログをご覧の皆様にはこの辺りの話はけっこう当たり前だと思われるのですが、団塊の世代かそれよりも上の世代の方だと、「日本人には戦略感覚が欠けている」という話に時として異様な反発を感じる人もいるようで、この会場にもそのような人が一人。
このシニアの方は、講演をはじまる前に私が配ったレジメを目にすると、いきなり私に向かって、
「日本人が戦略が苦手なんてありえんよ!こんなふざけたこと講義してどうする!」
と食ってかかってきました。
この反応には私もちょっとビックリしたわけですが、無事講義を終えて質疑応答の時間になると、当然このシニアの方が私の講義内容を軽く批判するような内容の質問。
曰く、「日本の企業の持っている技術は世界最高水準だ。建築や炭素繊維や原発、加工技術など、抜かれるわけがない!」と論じたわけです。
ところがよくよくその内容を聞いてみると、このシニアの方が言っていることは「日本の産業界の技術力」であって、「戦略」の話ではないのです。
私は「ははぁ、このシニアの方は私の講義の内容をこれっぽっちも理解していないのだなぁ」と実感したわけですが、ではなぜこのような「勘違い」が起こるのでしょうか?
この詳しい理由については、今週日曜日に行われる私の「武器捨て本」の出版記念講演会で、色々な実例や、ゲストの方とのトークの時間で解き明かして行きたいと考えております。
ということで、今週末の講演会ではご参加いただいた方々に、この辺の謎を徹底的にご理解していただくつもりです。ぜひご期待下さい。