口頭試験の内容 |
友人の結婚式に参加するために小倉に来ておりますが、昨日イギリスから帰ってきた足でそのまま国内便に乗りました。なかなかハードスケジュールです。
さて、口頭試験の話のつづきを。
まず試験の始まりはかなりリラックスした様子ではじまりまして、私も緊張はしていたのですが、それも5分くらいしてくるとかなり慣れてきました。
始めに聞いた説明では、進行としてはまず二人の指導教官がそれぞれ自分の意見を述べて、そこから個別の項目について質問に入るという形らしいのですが、ここで問題というか、思わぬ事態が発生。
どういうことかというと、まず最初に発言を始めた外部試験官(イギリス海軍史専門)が、なかなか発言をやめないのです。
これが10分くらいで済めばいいのですが、なんと私の感覚では30分近く一人でずーっとしゃべっている感じ。内部試験官のほうも見たのですが、どうやら彼も全くとがめる様子もなく、なるべく気持よく外部試験官に話してもらおうという作戦のようなのです。
あまりにコメントが長いので、私は逆に心配になってきて、用もないのに自ら積極的に色々と発言をするようにしました。そうすると、なんとなく会話が本来の(?)口頭試験らしい感じになってきました。
まず外部試験に始めに質問されたのは「シーパワー」という言葉の用語について。実はこの試験官の著作では、軍事力として「シーパワー」(海軍力)を持っている国でも、厳密に区別するとnaval power と maritime powerという二つのタイプの国家に分かれるということが書かれているのです。
ちなみにnaval powerとは海にそこまで依存していないにもかかわらず、国益増進のために積極的に関与していこうとする(昔のフランスやドイツのような)国家のことで、反対にmaritime power とは、海が国家の利益と安全保障に致命的な役割を果たしている(昔のイギリスのような)国家のことです。
この点について予習をしていた私は、まず自分の「シーパワー」の定義をもっと厳密にする必要があることを認めつつ、試験官の著作にも同様のことが書かれていたことについて言及すると、試験官側の納得した様子。
ここでようやく外部試験官の一回目のコメントが終了。
次に若いアメリカ人の内部試験官のコメントがはじまったのですが、こちらは国際関係論のアプローチや地政学の理論そのものについて色々と指摘されまして、概ねポジティブなコメントばかりをいただいて終了となりました。
これで前半の45分間があっとういう間に過ぎて行ったのです。
時間もないので続きはまた後ほど。