マンデルソンの中国万歳論 |
イギリスの大学では今週あたりから新学期が開始されたようで、私の住んでいる場所の近くでも連日連夜、若い学生たちがバカ騒ぎのために町に繰り出していてけっこううるさくしております。
さすがに今日あたりから授業が開始されたので木曜日の今日は静かですが、とにかく新学期というのは大にぎわいです。
市場が大変なことになっているみたいですが、これから冬にかけてかなり厳しくなりそうな予感が。関係者の方は本当に気をつけて下さい。
さて、イギリスの政治家で労働党のマンデルソンといえば、かなりの実力者(しかもゲイ)であると同時に、中共政府のエージェント的な役割を果たしている人物でありまして、数年前に中国製の毒入り乳製品が話題になった時にメディアの前でどうどうと飲み干して数日してから肝臓をおかしくして入院したという「黄金伝説」を持っていたことは本ブログでも報じた通りですね(笑
最近では政府に呼び戻されて筆頭国務大臣(副大臣)とビジネス・イノベーション・技能大臣 を兼任して重責を担ってますが、この人が数日前に労働党大会で行ったスピーチがこちらのメディアで異様に持ち上げられて話題になりました。
が、それと時を同じくして、「中国のバスに乗り遅れるな!」みたいな意見記事がでてきました。
ここまであからさまに「中国万歳」と表明するのは日本じゃ考えられないですが、とりあえず参考までにどういうことが書かれているのかをまたポイントフォームで紹介します。
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Sharing China’s confidence in the future
We must engage with China as it grows into its new role as a global political and economic heavyweight, says Lord Mandelson.
By Lord Mandelson, Secretary of State
●二年前に中国の学者が集まって三年間かけて合計20巻にもなる「中国の経済成長の持続性」をテーマにした研究報告書を出版した。
●その報告書では、2050年には中国の人口が15億になり、平均寿命は85歳、そして修学年数は14年になると予測されている。
●上海や北京は現在よりもさらに大きくなり、それ以外の都市も国内経済を支配し、貧困はなくなり、経済活動が環境に与える影響もゼロになると言っている。
●この報告書の特徴は三つある。1)中国の将来についての揺るぎない自信、2)中国の発展が国際政治に与える影響、3)驚異的な経済成長がイギリスにとってものすごい経済的なチャンスになる、という点だ。
●温暖化などをはじめとする国際的な問題を話し合う際に、すでに中国やその他の新興国を含めないと意味がなくなっている。
●多くの専門家は、早ければ2025年にも中国がアメリカを越えて世界経済でトップになると見ている。
●これだけ経済規模が大きくなると金融機関も大規模なものが必要になってくるわけで、今年になって中国の二つの銀行がイギリスでオープンし、イギリスの金融機関は中国ですでに活躍している。
●オリンピックで使われた「鳥の巣」スタジアムはイギリスのエンジニアによる作品だが、それよりもイギリスにとって経済的なチャンスは遥かに大きい。たとえば中国にはまだ高品質の建物が十分建設されていない。
●先月私が中国を訪れた時だけでも英中間で500億円の商談が成立しており、そのうちにはエコ関連のものも多く、たとえばウェールズの会社は上海との合弁で4300万ポンド分の仕事を請け負った。
●また、中国は老人の人口が増えているために、健康関連の企業にもチャンスが出てきている。たとえばイギリスは世界の薬の20%を作っているから有利だし、それを売っている下請けにもチャンスがある。
●とにかく中国の規模の大きさは想像を越える。
●しかも社会変化のスピードが速く、イギリスもそれに合わせて中国との関係のペースを変化させていかなければならない。
●もちろん我々としては中国側に人権問題や報道の自由など、言うべきところは言うべきだ。
●しかし同時にイギリス経済も中国経済に合わせて統合していかなければならない。
●中国のリーダーたちはまだまだ問題が待ち受けていることを知っている。
●しかし我々は、商業的な意味の他にも世界経済や国際政治の安定などの面から、オープンで強力かつ活発な中国からさらに得るところがあるのだ。
●我々の課題は、中国が経済的にも政治的にも国際的な重量級としての役割を増して行くときに関与しつづけていくことなのだ。
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なんというか、商売根性丸出しですな(笑