なぜアフガニスタンから兵を減らしてはダメなのか |
そろそろ時差ぼけもなんとなく解消してきた感じで、ようやくこちらに帰って来た実感もわいてきたのですが、今日はなんと近所に大型スーパーの出張所のような小さな店が出来ていることを発見しました。
この場所は近所の交差点の角にあり、いままで売れないパーティー用品を売っていた店だったのですが、いつの間にかテスコのエクスプレスになっていました。
試しに中に入ってみましたが、なかなか品揃えもよく、私がよく使うタウンセンター(イギリスの「ダウンタウン」のこと)のセインズベリーに代わって活用できそうな場所であることを確認しました。
さて、今日はまたアフガニスタンネタで。
オバマ大統領は国連やG-20の場でアフガニスタンに関する話題にほとんど触れなかったようですが、イギリスでは連日この話題で持ち切りでありまして、実にさまざまな分析が出て来ております。
もちろんイギリスは19世紀のいわゆる「グレートゲーム」のときにロシアとここを争った経緯がありますのでかなり知識は豊富なはずですが、最近は暴動鎮圧に関して完全にアメリカに遅れをとっているという話が出てきております。
そのような状況の中で、今回はアメリカのほうから注目すべきレポートがでてきました。
テーマはズバリ、「なぜアフガニスタンの兵を減らしてはならないか」というもの。著者は若き防衛分析官として有名なオハンロンと、元CIAの分析官です。
この主張を展開しているロジックが興味深いのでまたポイントフォームで。
●最近のアフガニスタンに対する戦略の議論では、「目標を低くして対テロだけに集中するべきだ」という意見が増えている。
●たしかにこれは魅力的なアイディアだ。アフガニスタンにつぎ込む資金も人命も少なくなるように思えるからだ。
●しかしこのような戦略は効かない。なぜならすでにラムズフェルドがやった「軽装備でやる」というのがこれだったからで、効かないことが証明されているからだ。
●対テロだけに集中するやり方が失敗する第一の理由は、諜報活動をうまく行えないからだ。
●現地にいる人間の数が減ると、我々の協力者たちを保護することもできなくなる。
●アフガニスタン軍や警察も自立できるまでに少なくとも2012年までかかる。
●失敗する第二の理由は、現地の人間を減らすと無人機を使うことができなくなるから。
●我々が兵を減らすとアフガニスタン政府が崩壊し、特に重要な山沿いの無人機が離着陸する基地が使えなくなる。
●そうなるとパキスタンにひそむテロリストたちも追いかけることができなくなる。
●この戦争の初期にオサマ・ビンラディンを捉えきれなかったのも、山岳地帯の近くに無人機の基地がなかったから。
●失敗する第三の理由は、こうすることによって一緒に戦っている仲間や同盟国を失うことになるからだ。
●政治的な理由から、もしかするとアフガニスタンに投入する兵力を減らさなければならなくなるかも知れない。
●アルカイダは基地などを必要としていないからアフガニスタンから撤退しても大丈夫だという人もいるが、とんでもない。
●活動場所があるということはアルカイダにとって好都合だからだ。
●やはり正しいのは、オバマ大統領が今年の3月に示した、アフガニスタンの市民を守りつつ、警察と軍を強化するという政策だ。
●このやり方は時間と資源をさらにかける必要があるかもしれないが、これしか残された道はない。
ということです。
「これ以外に選択はないから辛抱せよ」という、かなり厳しい提案ですな。