ウォルトの帝国論 |
さて、スティーヴン・ウォルトがブログに面白いことを書いておりましたのでまたその紹介を。
彼は休暇の間に大英帝国に関する本( Piers Brendon, The Decline and Fall of the British Empire, 1781-1997. )を読んだようですが、そこから得た教訓を十箇条のポイントごとにまとめて書いております。
詳細を知りたい方はこちらを見て下さい。
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1. 「慈愛的」な帝国というものは存在しない
2. すべての帝国は自己を正当化するイデオロギーやレトリックにたよるものであり、しかもこれは世界の現実とはかけ離れている場合が多い。
3. 帝国を成功させるためには十分な「ハードパワー」が必要になる。
4. 帝国が落ち始めると彼らは贅沢になり、自分たちの栄光に夢中になる。
5. 偉大な帝国というのは雑多なものによって構成されている。
6. 帝国を築いている時にはどこでやめればいいのかを知ることは難しい。
7. 帝国を動かす人々の中にはかなり多くの「ダメ人間」がいる。
8.大国というのは(自分たちにとって大切であると感じた)国益を、どんな手段を使っても自ら守ろうとする。
9. ナショナリズムとその他の土着のアイデンティティーは、長期的な帝国の支配にとってかなり大きな障害でありつづける。
10. 「帝国の威信」というのは財産にもなれば罠にもなる。
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もちろんウォルトは現代の自分の国の例に当てはめて考えているわけですが、これもなかなか面白い。
つまり歴史的な事実というのは、それが読まれている時代のコンテクストによって、解釈や読まれ方に違いが出てくる、という典型的な例です。