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戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中
by masa_the_man
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絶版本の最終販売

お知らせです。

すでにご存知の方も多いと思いますが、私が本を出していた五月書房が倒産しました。

五月書房といえば、私がデビュー作である『地政学』(これも絶版)を出していただいたほか、二冊目のミアシャイマーの『大国政治の悲劇』をはじめ、数々の戦略本を翻訳して出させていただいた小さな出版社でした。
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惜しくも昨年の夏に破産申立てをして倒産が確定したわけですが、困ったのはこれからも販売していくはずだった訳書たち。というのも、在庫として倉庫に預けられていた分が破産管財人の管理下に入ってしまったからです。

それが今回、ようやく何冊か入手できまして、販売できる状態にまでこぎつけることができました。

もちろん絶版本なので、在庫が無くなってしまえばそれで販売終了です。今回で本当に「絶版」が確定してしまうわけです。

いずれも専門書ですし、決して安い本ばかりというわけではないですが、私が選んで心血を注いで翻訳した本ですので、おそらく各本のクオリティの高さにはご満足いただけると思います。

アマゾンなどでは価格が高騰しておりますが、今回は税込み&送料無料で、元の定価で販売させていただけることになりました。

本当に「最後」のチャンスですので、ご興味のある方はぜひ下のホームページからお申し込みください

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# by masa_the_man | 2017-01-01 00:00 | おススメの本

ポリティカル・コレクトネスが学問の進歩の邪魔をしている?

今日の横浜南部は湿ってて不安定な天気でした。


さて、先日の放送(https://www.youtube.com/watch?v=_VBef3QypnY)でも触れましたが、ポリティカル・コレクトネス、つまり「政治的に正しいとされていること」が、実は学問の進歩を妨げているという問題を指摘した記事がありました。


鋭い内容でしたので、その要約を以下にご紹介しておきます。


====


ポリティカル・コレクトネスは学問の進歩を妨げる


By アレックス・ベレゾウ


われわれは、学問によって居心地の悪さを感じることがある。


たとえば天文学は、地球が太陽の周りをまわっていることを証明したおかげで、神学における天動説をひっくり返したし、物理学では、われわれの住む宇宙が、いつか日か終わりを迎えるということが唱えられている。


そしてDNAの配列は、われわれの本当の祖先や、ガンやアルツハイマーの遺伝的傾向を暴くことにより、われわれの人生の考え方を永遠に変えてしまったのだ。


このような研究の中には、社会的に議論を呼ぶ可能性もあるため、研究者たちが政治的に非難されることを恐れて、その結果を公の場で発表するのをやめてしまうようなケースも少なくない


ネイサン・コンファスという学者は、「科学の土台」(Foundations of Science)という専門誌に書いた論文の中で、この恐怖が「科学の探求における、自己修正的な性質を妨げるものだ」と論じている。


コンファス氏の論文は、ギリシャの「若者を堕落させた」という罪で処刑された、古代ギリシャのソクラテスの話から始まっている。


彼によれば、このような「処刑した側の考え方、つまり社会道徳を脅かすような学問的な研究は禁止すべきだとするものは、今日でもまだ広く共有されている」というのだ。


この論拠として、コンファス氏は「集団や人種の間の知能の差を研究すること」がタブーとなっていることを挙げ、「それを語ることさえ道徳的に誤っているし、危険でさえある」と信じる人々によって抑圧されている、と述べている。


このような見解を支持する人々は、もちろん「差別を防ぐ」という立派な意図を持っていることは明らかだ。ところが「地獄への道には善意が敷き詰められている」のであり、完全な平等性というものを維持しようとする誤った努力は、知識の進歩を妨げるものだ。


コンファス氏は、「もしその仮説が特定の道徳的価値や望ましい政治目標を支持していると見なされると、学者は証拠が揃っているにもかかわらず、その研究を止めてしまうことが多い」と述べている。


彼の言うことは正しいのであろうか?実は完全に正しい。


実際のところ、学者たちは自分たちの研究において政治的には好ましくない結果が出た場合に、それを受け容れないだけでなく、そもそも「政治的正しさに疑問を呈することさえも、自分の経歴に傷をつけるものだ」と考えているほどだ。


ローレンス・サマーズといえば、クリントン政権の元財務長官で、ハーバード大学の教授だが、彼は「男女間では知的な面で差がある」と示唆したおかげで終身在職権を剥奪されている。


このような厳しい圧力のおかげで、何人かの学者たちは確実に存在するこの「男女の脳の違い」を、研究することさえためらっているのだ。このような遠慮的な態度は、神経科学という学問の進歩にとっては明らかに「足止め」となっている。


同じようなことは、気候学の分野にも起こっている。


たとえば気候変動についての政治的に唯一正しい考え方というのは、「すべて悪いことは100%人間の責任によるもの」であり、「地球にはすでに死神がやって来つつある」というものだ。


このような「この世の終わり」的で非科学的な考えについて疑問の声を挙げた学者たちは、結果的に「気候変動否定者」(climate deniers)というレッテルを貼られたりしている。


もちろん気候学というのは、より懐疑的で慎重な「煮え切らない」アプローチによって進歩するはずなのだが、あまりにも多くの人々が、このようなアプローチをとったおかげで放逐されたり悪魔化されたりしている


ホームレスの原因についての議論でも、政治的に正しいかどうかが問題となっている。「政治的に正しい説明」によれば、ホームレスの原因は貧困にあるということになっている。たしかに貧困は、その一つの原因であることは明らかだ。


ところがその議論で無視されることの多いのは、全米ホームレス協会のデータによると、20%から25%のホームレスが精神的に重い病を抱えており、これは全人口の中の割合と比べても、4倍の数字になるという事実だ。


同じデータでは、ホームレスの中の38%がアルコール依存症であり、26%が薬物依存症であると推察されている。そのデータでは「ホームレスを生み出している最大の原因は、アルコール・麻薬依存症にある」と指摘されている。


たしかに多く(というかほとんど)の人々は、心地良い幻想を優先して現実を無視することを好むのかもしれない。コンファス氏は、この現象の原因として「事実と道徳的な価値観を合成しようとするのは、人間の本能的な衝動にある」と考えている。


これをいいかえれば、世界をありのままに描き出す(ポジティブな)説明は、「世界はこうあるべきである」と定める規範的な言葉に「自動変換」されてしまうことが多いということだ。


このような根本的な混乱は、学問の議論をゆがめ、その進歩を妨げてしまうものだ。


もしコンファス氏の「われわれの認知不一致は人間の本性につきものである」という点が正しいとすれば、証拠を元にして作成される政策目標は、残念ながら、いつまでも達成できないことになるだろう。


===


この問題は、実は「タブー」という形で、学問以外にもわれわれの住む日本社会でよく見られる現象ですね。


ここから見えてくるのは、社会的な価値観(政治的に正しいこと)と、学問的な真実は実は違うことがあるということ点でしょうか。


見過ごされがちですが、実はかなり重要な問題です。



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# by masa_the_man | 2016-08-20 00:12 | 日記 | Comments(2)

尖閣ではこう対処すべき?

今日の横浜北部は完全に真夏の一日でした。ラジオに出てきましたが、ようやく慣れてきました。

さて、久々にブログの更新です。

すでに番組(https://goo.gl/eW0TJJ)の方でも触れましたが、尖閣案件について一言。

東シナ海の尖閣沖で、中国が日本に大きなプレッシャーを与えてきていることは、みなさんもすでにご存知だと思います。

===

2016年 08月 6日 17:34 JST

尖閣周辺に約230隻の中国漁船、武装した海警船も

[東京 6日 ロイター] - 外務省は6日、東シナ海の尖閣諸島(中国名:魚釣島)の接続水域で中国の漁船約230隻と海警局の船6隻を確認し、中国側に抗議したと発表した。これほどの多くの中国漁船が同接続水域に入るのは異例。海警局の船のうち、3隻は武装しているという。

外務省のアジア大洋州局長は同日午前、在日中国大使館の公使に対し、領海内に入らず、接続水域からも退去するよう求めた。さらに、一方的に緊張を高める行為だとして強く抗議した。

===

これについて、軍事的に対決姿勢を徹底的に見せるというものから、一緒に酒を飲み交わすまで(?)、日本側にとっては様々なオプションがあるという意見があるでしょう。

ただし現実的に考えてみると、日本政府ができることといえば、残念ながら「外交チャンネルを通じて抗議する」ということくらいでしょうか。

実際に上の記事でもわかるように、日本政府はとりあえず抗議はしているみたいですが、本気で尖閣をとりにきている相手には、これもほとんど意味をなさないでしょう。

かくして私は尖閣事案については非常に悲観的でありまして、専守防衛で軍事的脅しの裏付けも低い日本が、このようにサラミ・スライス的に既成事実を積み上げてくる中国側の動きを抑止することは無理だろうと見ています。

ただし絶対に行われないだろうが、ひとつだけ中国側にとって強力な抑止効果となる可能性のあることを想像しないわけでもありません。

それは「相手と同じことをすること」です。

===

ちょっと話を飛ばします。
「テーラード抑止」という言葉があります(詳しく知りたい方はこちら)。

これは冷戦中にアメリカの国防関係者や戦略家の間で発展させられた抑止(deterrence)の考え方を踏まえて出てきたものです。

もちろんアメリカにとって、冷戦中の最大の敵は「ソ連」という超大国。

そして相手は核武装をしているわけですが、こちらも核兵器を持っているので、お互いに牽制しあってバランスがうまれて戦争を防ぐ、という考え方が「核抑止」(nuclear deterrence)の土台になってました。

ところがソ連が崩壊して冷戦終了。

そうなると、いままでソ連というドラゴン並の大きな敵を牽制するためにもっていた大量の核兵器が無駄になり、今度はテロリストや「ならずもの国家」など、いわばヘビのような小規模な敵に対して抑止をすることをアメリカの国防関係者たちは考え始めました。

そこで出てきたのが、コリン・グレイと共にシンクタンクをつくるなど活躍していたキース・ペインという、これまた核戦略の専門家のつくった「テーラード抑止」(tailored deterrence)という考え方です。

「なんだか専門的な言葉だな・・・」

とお感じの方もいらっしゃると思いますが、そのアイディアは意外に簡単。

具体的にどういうことかというと、個別の敵に適合させて(仕立てる、テーラードする)、こちら側がどのような手段で抑止して行くのかを決めていこう、ということなのです。

もちろん相手は「ソ連」というたった一つの相手ではなく、アメリカに危害を及ぼしてくる可能性のある多種多様な潜在的な敵なので、そもそも彼らが何をしてこようとしているのか、その意図を知らなければなりません。

そうなるとただこちらがわの手段だけではなく、必然的にその相手を調べるための、インテリジェンスの機能が重視されてきます。

それはとにかく、この「テーラード抑止」という考え方は、孫子でいう「敵を知り」を徹底して行い、相手のいやがる手段を研究して、それに合わせてこちらも対抗手段を考えて牽制しましょうね、ということなのです。

さて、これを現在の尖閣周辺に大量の船をよこしている中国に当てはめて考えた場合はどうなるでしょうか?

ひとつの案ですが、日本も中国の真似をして、たとえば大量の漁船を連れた海保(と海自)の船が、日中中間線付近で操業している中国のガス田の構造物(レーダー搭載)の付近を航行する、というのはどうでしょうか?

もちろん日本政府はこのようなことを実際はできませんし、はじめからする気もないでしょう。

ただし中国というのは、以前から「自分たちがやられたらいやがることをあえてやる」という、なんというか「無理やりなお互いさま」を手段として使ってくることが多いのです。

ならば日本もそれにならって、まさに中国のやり方に適合(テーラード)させて、同じように大量の漁船を連れて中国の領海付近に行く、というのも一つの抑止手段となる可能性があるのです。

「いやはや、そんなの無理ですよ、日本にはできませんよ」

というのはごもっともでしょう。

ただしみなさんに戦略的に考えていただきたいのは、ただいたずらに抗議をするだけでなく、戦線を拡大したり、あえて相手のいやがることを想像力を働かせて考える、ということなのではないでしょうか?

戦略に特効薬はありません。

ただし柔軟な考えで様々なオプションを考えておくというのも、いまの尖閣事案に直面する日本政府には必要です。



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# by masa_the_man | 2016-08-10 22:00 | 日記 | Comments(5)

トルコのクーデターはなぜ失敗したのか

今日の横浜北部はどんよりとした曇り空です。まだ梅雨は明けないのでしょうか。

さて、今回のトルコでのクーデター未遂事件に関して、デビュー作で『クーデター入門』を書いている本ブログでも同じみのルトワックが、さっそくフォーリン・ポリシー誌に興味深い記事を掲載しておりましたので、その要訳を。

===

トルコのクーデターはなぜ失敗したのか
by エドワード・ルトワック

「軍事クーデター成功のためのルール」の第2条は、実行に参加しない機動部隊(これには当然だが戦闘機の飛行大隊なども含む)は、動員不可能の状態にしておくか、介入してくるには遠すぎる場所に置いておくべきである、というものだ(サウジアラビアの陸軍の部隊が首都から遥か離れた場所に配置されているのは、まさにそのような理由からだ)。

ところが今回のトルコのクーデター計画者たちは、実行に参加しない(戦車、ヘリ、そして戦闘機)部隊を活動不能にしておくことができなかったのであり、いざ実行段階になると、逆に軍の内部からの反発を強めることになってしまったのだ。

ところがこのような事実は、はじめから意味がなかったのかもしれない。なぜなら彼らはすでに、このルールの第1条である「まず最初に政府のトップを奪取(もしくは少なくとも殺害)すること」を守れなかったからだ。

トルコのレジェップ・エルドアン大統領は、クーデターが始まってから支持者たちに向かって軍事クーデターに抵抗することを呼びかけており、最初はiPhoneを使いながら、そして次にイスタンブール空港での会見をテレビ中継によって行っている。

この会見においてかなり皮肉だったのは、彼が近代世俗国家としてのトルコの建国の父であるケマル・アタチュルクの公式肖像画の下で語っていたということだ。なぜならエルドアンが政治活動を始めてからの最大の目標は、この世俗国家を、様々な方法で「イスラム系国家」につくりかえることだからだ。

この「方法」には、世俗系の学校を閉鎖することによって生徒たちをイスラム系の学校に入学させることや、アルコールの禁止の増加、そして多くの場所――これには以前はキリスト教の教会であった場所や、つい最近まで頭に被るスカーフ禁止だった大学のキャンパス内も含む――でモスクを建設しまくっていることなどが挙げられる。

クーデターに反対するために街に繰り出してきた群衆を映し出したテレビの画像は、実に様々なことを教えてくれるものであった。まず彼らは口ひげを蓄えた男たちだけ(世俗的なトルコ人は口ひげを嫌うものだ)であり、女性は誰ひとりとして目にすることはできなかった。さらに、彼らの唱えていたスローガンは愛国的なものではなく、イスラム的なものであったことが挙げられる。彼らは「アラーは偉大なり」と叫びつつイスラム教の信仰告白を行ったのである。

それと同じくらい皮肉的なのは、アメリカのオバマ大統領、ドイツのメルケル首相、そしてEUの外相になると見込まれているフェデリカ・モゲリーニらが、「民主制度」の名の元にエルドアン大統領の支持をすぐに表明したことだ。

ところがエルドアン自身はトルコの壊れやすそうな民主制度を破壊するためにあらゆることを行っている張本人であり、彼を批判したジャーナリストの逮捕の指示から、トルコ最大の新聞であるザマン紙の占領から閉鎖、そしてドイツやイタリアのような象徴的な存在で権限は首相にある大統領制度であったにもかかわらず、アメリカやフランスの大統領のように権限を持ちはじめたことまで含まれる。

自らが主導する公正発展党(AKP)は議会で憲法改正に必要な数の議席をもっていないため、エルドアンは、忠実だったが奴隷とはいえなかったアフメト・ダウトオールの代わりに、まさに奴隷のように充実なビナリ・ユルドゥルムを首相にすげかえており、さらには憲法下の秩序をつくりかえるべく、1000部屋以上もある宮殿で、自らが主催する閣議を開催するようになっている。

ちなみにこの宮殿は、法的な根拠もなく自然公園の中に建てられ、その建造費の出処も不明確なまま数百億ドルにのぼり、広さも30キロ四方(ホワイトハウスは約5キロ四方)ある。

このようなことは、極貧状態から億万長者にまで上り詰めたと言われるエルドアンにとっては、いわば「通常運転」である。検察側がエルドアンの息子のからむ汚職事件を捜査中に何億ドルもの現金を発見したことがあったが、この捜査に関係していた350人の警察官や検察官は、突然職を解雇されることになった。

トルコのイスラム化にしか興味のないエルドアンの党の支持者たちは、民主的な原則や法的義務というものに価値を見出していないようであり、エルドアンとその息子たちが巨万の富をためこむことは自然だと認識しているようなのだ。

エルドアンは、トルコの直面するあらゆる問題――これには自らが始めたクルドとの戦争を含む――を外国(アメリカや国内のクルド人)のせいにするのだが、支持者たちは彼の言葉を積極的に信じている。これはアメリカに住むトルコの宗教指導者で、以前は共闘していたフェトフッラー・ギュレンが自分に対してテロを行っているという荒唐無稽な非難を行った時も同じであった。

エルドアンは前述した汚職捜査のときもギュレンが「法律戦」を行っていると非難したことがあるし、今回のクーデターではギュレンとその支持者たちが軍事クーデターを仕掛けたと非難している。

もちろんこれにはいくらかの真実が含まれているのかもしれないが、トルコ軍の幹部たちにはそもそもギュレンの働きかけがいらないほど、エルドアンやAKPの支持者たちがアタテュルクの築いた世俗国家を崩壊させていることを非難している。

また、シリア国内のスンニ過激派を支援して、それがいまやトルコ国内に入り込んできていて自爆テロを行っていることや、去年から無神経な政治的理由によってクルドに対して戦争を再開したことについてもエルドアンを批判している。この戦争では毎日兵士の命がうばわれており、トルコという国家の生き残りもおびやかすことになっているからだ(クルド人は実施的にトルコ東部の省内の多数派である)。

クーデターの計画者たちは、非協力的な指揮官たちをしっかりと拘束できていれば、わざわざ軍の大多数の兵士たちを導入する必要はなかった。初期段階で成功すれば、彼らも勝ち馬に乗るかたちでいずれクーデターに協力するはずだからだ。

ところがトルコ軍のトップの指揮官たちはクーデターを計画せず、それにも参加しなかったのであり、これはフルシ・アカル将軍を含むほんの数人しか勾留されなかったことからもわかる。

現時点で判明しているのは、おそらく軍内部の関係者は2000人以下ということだ。彼らはイスタンブールの街に出てきたエルドアン大統領の支持者たちの圧倒的な数には勝てなかったのだ。

トルコの野党もすべて今回のクーデターには反対しているが、彼らはエルドアンの寛容的な態度に油断してはならない。独裁体制への動きは今後も続くであろうし、さらにそれが加速することもありえる。他のイスラム系の国々と同じように、トルコでも選挙の結果はそれなりに尊重されるだろうが、民主制そのものは尊重されない。

===

個人的に「さすがルトワック」と感じるは、クーデターの手順や原則から分析しているのではなくて、さらにトルコの国内事情を細かく解説しながら書いていることでしょうか。

ただし真骨頂は、やはり私が「中国4.0」を解説したこのCDでも詳しく触れているように、これらの事象の中に生じるパラドックスや皮肉を見つける視点の鋭さかもしれません。

ルトワックは最近になって英語版の「クーデター入門」の新板を出したわけですが、私もいずれ近いうちにこれを翻訳できればと考えております。

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# by masa_the_man | 2016-07-17 12:13 | 日記 | Comments(2)

参院選の結果に左右されない日本の安全保障

今日の横浜北部は朝方にけっこうやばい雲がかかっておりましたが、昼になると晴れてきました。

さて、久しぶりに書きます。

もちろん本ブログをお読みの皆さんは選挙に行かれた方がほとんどだと思いますが、今回の参院選に関連して、ひとことだけ。

見方は色々あるでしょうが、純粋に数的なところをみれば、やはり今回の選挙では「自民党が勝った」という分析が正しいことになりそうです。

では奥山さんは嬉しいのですか、それとも悔しいのですか、と聞かれるかもしれませんが、私はどちらかと言えば、

「選挙の結果など、どうでもいい」

と冷ややかに見ている部分があります。

「いやいや、選挙の結果が国家の運営にも影響してくるから、やはり選挙は重要なのでは?」

とお感じになるかたもいらっしゃるでしょうが、私はこのような選挙が行われても、常にどこかで虚しさを感じている人間になってしまいました。

その理由は、戦略論を学んでしまったからです。

たしかに世間で言われているように、今回の選挙で自民党が勝ち、与党側が改憲要件となる国会の三分の二の議席を確保できたというのは、日本の安全保障にとってはプラスになることかもしれません。

ただしそれも、しょせんは半分のこと。

なぜなら日本がいくらがんばっても、戦争や紛争に巻き込まれるかどうかというのは、結局はそのもう半分である「相手」がいて成り立つものであるからです。

この場合の「相手」とは、日本の「平和憲法」のようなものを持たない中国かもしれませんし、航行の自由作戦を行っていて、建国以来、ほぼ毎年の割合で戦争を続けているアメリカかもしれません。

さらには突然ミサイルを日本に落としてくる北朝鮮みたいな国もありますし、日本の国土を第二次世界大戦後から占領しつづけているロシアもあります。

ようするに私が言いたいのは、「日本の行動や決断だけで東アジアの安全保障環境が決まるのではない」、ということ。

ところが残念なことに、われわれ一般人(さらにはメディアや学者まで)は、どうも日本という狭い国の狭い言語空間で生きているせいか、

日本の行動こそが、世界(東アジアの地域だけに限定されない)の安全保障環境に決定的な影響を及ぼす

という、なんとも誇大妄想的なバイアス(偏見)を無意識的にもっていることが多いのです。

ここであえて言っておきます。日本は(悔しいですが)「大国」ではありません。

安全保障はアメリカに多くを依存しておりますし、自分の国の軍隊をまともに戦闘させることもできないですし、何より「日本には平和憲法がある」と知られているわけでもありません。

つまり周辺の安全保障環境において、日本はカギを握っているプレイヤーではないのです。

戦略には、常に考慮すべき「相手」という存在があります。そしてこの「相手」は、自由意志を持った存在であると同時に、日本の政治面での力をまったく考慮しない存在かもしれないのです。

結論からいえば、日本が国内的に何をしようとも、そして自民党が選挙で圧勝しようとも、それは「相手」のいる戦略がかかわってくる紛争については、(よくても)たった半分のことであり、われわれの力ではどうすることもできない部分が大きい、ということです。

したがって、われわれは日本国内の選挙結果というものに一喜一憂することなく、ただひらすら冷静に、日本の安全と平和と繁栄をいかに守るか考えるべきなのです。

これらのトピックについては今夜の放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv268232726)でも議論します。ぜひご期待ください。


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# by masa_the_man | 2016-07-12 13:12 | 日記 | Comments(4)

戦争は国家の分断を防ぐ?

今日の横浜北部は朝から大雨でした。現在は小康状態の梅雨空です。

さて、先日の放送(http://goo.gl/H9Bikx)でも触れた、スティーブン・ウォルトのFPのブログの内容の要約です。

マイケル・デッシュといえば、戦略学でも戦略文化についての議論で何度か論文を書いているリアリスト系の学者の一人ですが、ウォルトはこの人の昔の論文を紹介しつつ、現在の国際政治にみられる分断状態は、戦争や外ぶからの脅威が少ないために発生しつつあることを論証しております。

このような議論は、ルトワックのものも含めて、日本でほとんど紹介されませんが、とりあえず傾聴に値する大切な議論でしょう。

ちょっと長い記事ですが、ぜひ。

====

平和への反対論
by スティーブン・ウォルト

現代の世界政治における驚くべきトレンドとして見られるのは、多くの異なる場所で政治的統一性というものが大きく失われつつあるということだ。

たとえば中東では、われわれは「アラブの春」を目撃したし、シリア、リビア、そしてイエメンなどもで殺し合いが行われている。欧州ではEUへの支持率が落ち続けており、イギリスが選挙で離脱を選びそうな勢いだ。そしてスコットランドは相変わらず英国からの脱退を決断しそうだ。

ここアメリカでも、党派面での分裂状態が過去数十年間にないほどの深刻さになっており、民主・共和の両党ともそれぞれ内部に分裂を抱え、共和党の候補にいたっては、様々な面で「ズブの素人」が選ばれてしまった。

つまり最近では、政治的な「中間層」が消滅したと言っても過言ではないほどだ。

これは一体どういうことなのだろうか?今日の不安定な政治状況は「グローバル化による結果だ」と指摘する人々もいる。それが変化のペースを速めて伝統的な文化の規範を脅かし、何百万人もの人々に「端に追いやられてしまった」と感じさせているという。

他には、たった「1%」の金持ちを優遇する経済政策がその原因だとする人もいる。これによって金持ちは自分たちの悪行から逃れつつ、それ以外の人々は残り物を漁るしかない状態に追いやっているというのだ。

さらにはその元凶は「デジタル革命」や「新しいメディア」にあるとする人々もいる。ケーブルテレビやツィッター、そしてその他の現代の通信手段などのおかげで、政治の議論が雑多になり、それへの参加障壁を低くし、過激主義を広め、政治的な嫌がらせの最悪な形のものを正当なものに思えさせてきたというのだ。

たしかにこのような分析はそれぞれ一理あると思うが、これらの分析では、今日の政治における不安定な状態について、さらに重要な説明を忘れている。それは「平和」だ

もちろん勘違いしないでほしい。私は平和は素晴らしいものであると考えているし、さらに多くの政治家がそれについてオープンに語り、それを推進することを願っている。

もちろんこのような斬新な考え方を思いついたのは自分だ、と言いたいところだが、現代の分裂状態の説明についてはすでに出てきて久しい。たとえば20年前に、国際政治学者のマイケル・デッシュは「戦争と強国、平和と弱国?」という興味深い論文をインターナショナル・オーガナイゼーションという学術誌に発表している。

マックス・ウェーバー、オットー・ヒンツ、ゲオルグ・ジンメル、チャールズ・ティリー、ルイス・コーザーなどの文献を引用しながら、デッシュは戦争(より広く言えば外的脅威)こそが、強い中央集権的な国家や統一性の高い国家の出現を説明する単一の最も重要な要因ではないか、と論じている。

とくに国際的な競争による圧力が、国家に効率の良い官僚制度や効果的な徴税システム、圧倒的な軍隊の発展をうながすというのだ。またそれは愛国主義の推進や内的な分裂を緩和することにもつながるという。つまり玄関にオオカミが迫っていれば、その直近の危険に対処するために国内のいさかいは棚上げされるということだ。

あいにくだが、この議論が正しいとすると、「平和の到来は、国家のまとまりや統一性にとって有害な影響を持つ」ということが言えてしまうのだ。

デッシュは社会学者のゲオルグ・ジンメルを引用しつつ、「ある集団が敵集団に完全に勝利するというのは、社会学的には常に幸運をもたらすわけではない。勝利はその集団のまとまりを保証するエネルギーを減少させてしまうのであり、常に働いている分裂への勢いはこれによって力を得てしまうからだ」と論じている。

では実際の歴史はこの見方を裏付けるものなのだろうか?デッシュによればまさにその通りだという。

彼の文章を引用すると、「国際安全保障競争の度合いの違いも、多くの国家の結束度に影響を与える。ナポレオン戦争の終わりと1815年のヴェルサイユ条約の締結から1853年のクリミア戦争の勃発までの期間に欧州の国々が直面した外的脅威の度合いは比較的低かった。ところがこの期間の欧州各国の国家の統一性は、国内での反乱などで驚くほどのレベルで崩壊した」というのだ。

また、デッシュはアメリカの歴史にもこれと同じパターンが当てはまるという。たとえば1850年までに「アメリカが直面した外的脅威の度合いはかなり低くなったのだが、同時に長年続いていた国内での緊張は高まっていた。1860年の選挙までに国内の分裂は明確になっていて、共和党のエイブラハム・リンカーンの当選時の獲得票はようやく3分の1を越えたくらいで、その他の3党は健闘していた・・・したがって南北戦争は、外的環境の脅威の度合いの変化によって国内の結束が崩壊したために起こったことが原因として挙げられると結論づけることができる」という。

その反対に、2つの世界大戦は現代のアメリカの連邦制度をつくりあげる助けとなったのであり、国家の統一性にとっての強力な動因となったのであり、この流れはその後に続いた冷戦によってさらに強められることになったという。

デッシュの見解によれば、「冷戦は、脅威のタイプとしては“完璧”なものであった。国家を統一に向かわせる際の重大な要因であったにもかかわらず、大規模戦争には決してエスカレートしなかったから」である。

ところが冷戦の終結によって、この統一への動因が失われてしまった。ニルス・ペッター・グレディッシュ、ジョン・ミューラー、スティーブン・ピンカー、そしてジョシュア・ゴールドステインらが論じているように、世界における紛争(と外的脅威)のレベルは、(ごく最近の急上昇まで)減少しつつあったのだ。

その結果は、デッシュが20年前に予測したように、国内での分裂状態の進化であり、国家の有効性の弱体化だというのだ。もちろんこの状態は世界各国のおかれた環境の違いからそれぞれ異なる。たとえば市場メカニズムを活用できている国家は、強制的な動員をするような国家よりははるかに強靭そうに見えるし、国家が強まると共に国内も引き締まる効果もたしかにある。

官僚制度や制度組織はある時点で創設されるものだが、それがつくられた動機と環境が失われたあとでも大抵は生き残るものであり、近代国家は戦争準備だけではなく多くのことをするために、外的脅威が低下しても脅威が出てくる以前の状態に収縮するというものではない。ところがわれわれが目撃しているように、それは国内政治をはるかに分裂的にする役割を果たす可能性を持っているのだ。

デッシュはこれらの論拠を踏まえて、以下のような驚くべき予測を行っている。

「第一に、外的により平和な安全保障環境にいる多民族国家の活力は落ちて行くだろう・・・そのプロセスに生き残れた国家も、これまで以上に高いレベルの民族分離主義や自治権の要求に対処しなければならなくなるはずだ」

「民族的、社会的、もしくは言語的な分断状態の溝が深く、しかも脅威環境が温和な状態にある国家は、国家の統一性を維持していく際の難しさに直面するだろう。注目すべきケースとしては、イスラエル(世俗vs宗教原理主義、多数派のユダヤ人vs少数派のアラブ人)や、シリア(アラウィー派)、ヨルダン(パレスチナ人)のような多民族のアラブ諸国、さらにアフガニスタン(政党乱立)、アフリカ諸国のほとんど(部族)、そしてとりわけ南アフリカ(ズールー族と白人)などが挙げられる」

「国際安全保障競争の度合いが収まった期間が長ければ長いほど、先進国では狭い範囲の利益を追究する利益集団の台頭に直面する可能性が高まるのだ。アメリカでは現在、連邦政府という権威に対して大きな挑戦がつきつけられており、連邦予算を収支を均衡させるために支出をカットする必要があるとの総意ができつつあり、連邦政府の関連機関の削減への取り組みが始まり、国家中心の産業政策に対する批判的な考えが出てきており、共和党が多数派の議会はアメリカ政府の発展を制限しようと取り組んでおり、これまで成功しつつあると言えるのだ」

これらの予測は、私には正しいように思える。

もちろんデッシュのいくつかの予測はまだ完全に実現したわけではないが、彼の論文は、欧米や先進国の一部に見受けられる多くの分裂的な傾向を予期していたといえる。

ようするにデッシュの予測は、少なくともフランシス・フクヤマのわれわれが「歴史の終わり」に到達したという考えや、故サミュエル・ハンチントンの、迫りつつある「文明の衝突」という予測よりははるかに優れていることを証明したと言えよう。


ここまでお読みの皆さんは「ちょっと待て」と言うかもしれない。たとえばアルカイダのような国家が直面する暴力的過激主義などの脅威はどうなんだ、とお感じの方もいるだろう。たとえば911事件は、アメリカで国内の結束を固め、アメリカ本土安全保障局のような組織を創設することにもつながったのではないだろうか?

そしてアルカイダ、IS、さらにはプーチン率いるロシアなどによる政治的な敵対状態の危険の台頭は、デッシュの議論に深刻な疑問を投げかけるものではないのだろうか?

たしかにこのような考えは妥当なのかもしれないが、私は個人的に疑わしいと考えている。なぜならアルカイダをはじめとする集団は、相手が国家の場合のライバル関係ほど、国内の結束を固めるものではないからだ。

もちろん911連続テロ事件や、ボストン・マラソンでの爆破事件、フォートフッドの銃撃事件、そして最近のオーランドでの銃撃事件はショッキングな出来事ではあった。そしてブッシュ政権は911事件のショックを利用してアメリカを誤った戦争に導いたのであり、その過程において様々な方法で政府の権限を強化したことは間違いない。

ところが、それでもアメリカ国民はすぐに慣れてしまった。その主な理由は、実際の脅威が911直後に想定されたものと比べて(幸運なことに)それほど大きなものでなかったからだ。

国内でのテロはたしかにわれわれにショックを与え続けているが、それでも毎年テロで死ぬ人間の確率が400万分の1という確率であるために、長期的に国家の権限を強化させる方向に行かせるまでにはいかない。このような比較的温和な環境のために、特定のアジェンダを追究する狭い利益団体の動きは変わらずに残っているのだ。

さらにいえば、国際テロは不明確な危険であり、国家の恐怖を内向きにして国内の分裂を強める働きをするものだ。敵対的な集団がテロを使った場合、さらには海外での何人かの支持者や、「内通者」や「一匹狼型」、さらには大規模な攻撃計画に対する恐怖を煽ることにもなる。現在のイスラム恐怖症はこのような懸念の典型的な例であり、ドナルド・トランプが共和党の大統領候補に登りつめるまで利用した考え方は、まさにこれなのだ。

端的に言って、もし米ソ冷戦が国家の統一性を生み出すための「完璧」な脅威であったとすれば、テロリズムというのはアメリカをまとめる危険という意味では「最悪」の部類に入る。それは新たな「偉大な世代」の活躍を生み出すまでには至らないし、政治家はむしろ国家の結束を固めるよりも分断するような最悪の恐怖感を簡単に利用できることになるからだ。

もしデッシュの議論が正しければ――そして私は正しいと思うが――、そこから出てくる暗示は皮肉であると同時に、とても落胆的なものだ。それは、外的な危険を減らすことには否定的な側面があり、われわれが外の世界から脅威を感じなければ感じなくなるほど国内でいざこざを起こす可能性が高くなる、ということだ。

さらに悪いのは、平和はそれ自身を破壊するタネを持っている、ということだ。実際にわれわれが中東で目撃しているように、国家の統一性と権威の崩壊というのは、最終的には外部の「列強」を呼び戻すことにもつながるような、暴力的な内乱を容易に発生させるものなのだ。

ところがわかりやすい解決法――外の恐ろしい勢力の支持を得ようとすること――というのは、当然ながら魅力的な選択肢とはならない。結果として、平和的な期間が新たな緊張と分断の原因をつくるような紛争のサイクルが続くことになるのだ。

私を「リアリスト」にしたのは、国際政治におけるこのような不穏な状況だと考える人はいるかもしれないが、それは正しい。

====

うーむ、出ましたね。ルトワックは「戦争には戦争をしたいとする人々の感情の火を消す役割がある」という議論を行ったことで有名ですが、デッシュの場合は「国家をまとまらせる」ということを言っております。

グレイも『戦略の格言』の中で「平和は戦争の原因である」という議論を展開しておりますが、これはより社会学的なアプローチから論じられている点がミソですね。

たしかに気が滅入る結論と言えますが、ここから日本国内の問題、たとえば沖縄の話などに当てはめて考えると、なんとなく納得できる部分もあるわけで興味深いです。
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(母校のカフェ)


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# by masa_the_man | 2016-06-23 13:29 | 日記 | Comments(1)

イギリス訪問記:その3

今日のイギリス南西部は朝からスッキリ快晴です。気温も上がってようやく初夏らしくなってきました。

さて、昨日の元指導教官の自宅への訪問について少し。

おそらく3年ぶりだと思うのですが、元コースメイトたちと一緒にコリン・グレイを訪れてきました。

彼の自宅は、大学のあるレディング駅から電車でたったひと駅向こう(といっても10分ほどかかりますが)のワーキンハムという緑豊かな住宅地の中にありまして、友人たちと集まってそこからタクシーで5分ほど行くと到着しました。
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(先生の自宅)

久々にお会いした教授はしゃべりも相変わらずシャープで戦略ジョークを飛ばしながら軽快なトークはできるのですが、去年の暮れに発作を2回ほど起こしたようで、足腰は弱っており、左目の一部も見えなくなってしまったと申しておりました。

結局彼の家の庭と居間で、あとから来た米軍ドクター生たち(私の後輩にあたります)を踏まえて、六人ほどで先生の話を聞くことに。

彼の最近の懸念は、戦略や政治を科学的にやろうとする風潮が強まっていることであり、今回話題になったのも「アートである政治を科学的に研究するのは不可能だ」ということ。

英国の大学でも米国にならって無理やり数量的・科学的に教えようとする傾向が強まっていることを相当心配しているようでした。

その後は個別に米国の戦略系学者の様子や、サイバー関係の人間が2人いたのでサイバーと抑止の問題、それに昔の教育環境といまの教育環境の違いからグレイがどのようなドクター論文を書いたのかなどなど、とても興味深い(マニアックな)話題が交わされました。

一つ面白かったのは、戦争学の権威であるローレンス・フリードマンが書いた『戦略』という本(邦訳予定あり)についての話題。

実はグレイはフリードマンとほぼ同世代であり、もちろん互いに知っていて、同じく核戦略について論じてきたわけですが、とりわけ戦略については(仲は悪くはないのですが)見解は異にしております。

ところが去年の暮れに出版社のほうから「フリードマン本の書評を(好意的に)書いてくれ」と言われ、病気をするまえに一字一句細かく隅々まで読んだそうです。

ところが読んでみた結果が「非常につまらん本である」ということであり、とりわけ戦略の定義や捉え方にまったく同意できない、駄作だ、ということでした。

しかしこのようなことを正直に書いてしまうと本人が20年かけて書いた努力をバカにしてしまうことにもなりますし、本人も怨みを持つかもしれず、学問的に正直に生きるか、それともウソを書いてごまかすかの瀬戸際に立っている、と述べておりました。

私を含めてこの本を読んだことがある人間がその場に何人かいたわけですが、たしかにみんなも同じような感想を持っており、アマゾンなどのレビューでも過大評価だという意見で一致しておりました。

また、話題に出たのはマーチン・ファン・クレフェルトでありまして、数年前のケンブリッジ大学での女性兵士のテーマの講演で猛烈に批判されて切り上げて帰ってしまった事件の真相や、クラウゼヴィッツの三位一体を見過ごしていたことを認めた事件などについて意見が交わされました。

およそ2時間半でしたが、体調が悪い中、わざわざ元学生たちと興味深い話をしてくれた教授には感謝でした。最後にはおみやげとして新刊2冊をサイン入りでもらい、もちろん私が翻訳した『現代の戦略』にもサインをもらって帰りました。
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(新刊2冊)

本日はこれから母校の現役の学生たちの前でゲスト講師としてルトワックの『中国4.0』の内容を話してきます。どういう反応があるのか楽しみです。

余談ですが、以下は先ほど食べてきた今朝の朝食。典型的なブリティッシュスタイルということで。これで日本円で1000円ちょうどくらい。
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# by masa_the_man | 2016-06-06 21:39 | 日記 | Comments(1)

イギリス訪問記:その2

今日のイギリス南西部は朝から珍しくスッキリ晴れております。

さて、昨日参加してきた元コースメイトの結婚式について簡単に報告します。

今回のイギリス訪問はもちろん指導教官たちに挨拶しに行くということもあったわけですが、もう一つの目的は友人の結婚式の参加でした。

この私の友人というのはインド系の子で、コリン・グレイの戦略学の院生向け授業を一緒に受けていたことから仲良くなった人です。この子が職場で知り合ったアイルランド人と結婚したので、私が参加した披露宴(?)はインドとアイルランドの文化が入り混じった、かなり雑多な多文化式のものになりました。

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(会場のホテルの入り口付近の様子)

会場はロンドンから南西部に向かったテムズ川近くの広い敷地内にある高級ホテルでして、会場は500人近くはいるところ。何人きたかわからないのですが、とにかく私がいままで参加した日本の結婚式とはスケールが違っておりました。

これでもインド人の結婚式としては人数は少なめだと言われたのですが・・・
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(↑開場を待っているレセプションの様子)
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(↑外から見た会場の箱)
外から見るとあまり人数がいないように見えますが、中には人がぎっしり。面白かったのは、中央にDJ用のブースがデーンと構えておりまして、この人が司会者件DJをしながら式次第を進めていくというスタイルです。

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(↑ウェディングケーキ)

全般的にいって、式の進行は日本のものに比べてかなりユルユルでありまして、驚いたのは新郎新婦が会場に入ってきてからいきなりケーキ入刀、そしてその後に挨拶ということで新郎とその友人3人がジョークを交えながらマイクをもって会場にむかってしゃべります。

その次はようやく料理が出てくるのですが、前菜(主にインド料理)が出てきたあとは、おもむろにDJが新郎新婦を紹介し、二人が会場の真ん中で最初に踊ると(たしか曲はBoy Zone)、そこからインド系のダンス・ミュージックがはじまり、そこにサリーを来たインド系の若い女子たちにアイルランド系の親戚のほうが大量に群がって踊り始めるというカオス状態がはじまりました。
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その後にメインディッシュの大量のカレーとライスやナンが出てきまして、それが落ち着くと再びDJが出てきてみんな踊るという、日本のものとはだいぶ違う、かなりパーティー的な色が濃いものでした。

私は電車の時間があるので最後まで残れなかったのですが、ほとんどはこの会場のホテルに泊まる覚悟をしていたようで、午後5時からはじまったにもかかわらず、宴は延々と11時近くまで続いており、私が出た時にもまだまだ続く様子でした。

一緒に行ったイギリス人の友人もインド式のものは初めてだったようで、お互い軽くカルチャーショックを受けました。いい経験です。

本日はこれから数年ぶりにコースメイトたちとグレイ教授を訪問。彼らも卒業してから先生を訪問するチャンスがなかったようなのでとても興奮している様子です。

最後にひとつ面白いものを。イギリス政府が作成したパンフレットの表紙です。政府側はあからさまに「EUに離脱反対」という立場の内容からこのようなパンフレットをつくっております。
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グレイ訪問についてはまたここで明日にでも報告します。

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# by masa_the_man | 2016-06-05 18:33 | 日記 | Comments(1)

イギリス訪問記:その1

今日のイギリス南部は朝から曇りで霧が出ております。寒いです。

さて、ほぼ2年ぶりに来て感じたことをいくつか。

今回の訪英は元クラスメイトの結婚式の出席のついでに母校の訪問&研究発表や、元コースメイトたちとの情報交換、そして指導教官だったコリン・グレイやロンドン大学のC教授たちとの訳本についての打ち合わせなど、一週間弱の短い日程の間に盛り沢山の内容となっております。

すでにこちらでは到着して3日目の朝なのですが、一昨日の初日はヒースロー空港のバスターミナルやレディング駅の工事の終了など、私が学位とってからの町の様子の大きな変化をいくつか感じました。

2日目は試験期間中のロンドン大学(LSE)のC教授とランチをご一緒させていただきまして、彼の本をいくつか翻訳させていただくという話をして参りました。

この教授、以前から強烈なジョークやエピソードをいくつも披露してくれている人物でありまして、今回もロマやスリランカ内戦の話など、いくつか強烈なネタを教えてくれました(ちなみにPKOのヤギの話の出処はこの方です)。

なぜか最後にクレフェルトのこの本を持っていけと言われてありがたくいただいたわけですが、いま米国で議論になっている戦闘部隊への女性の参加についての是非について興味深い話をいくつかうかがって参りました。

個人的に「おおっ」と思ったのが、街で配られていた無料夕刊紙であるイブニング・スタンダード紙で、北海道の行方不明男児発見のニュースがトップ記事になっていたということでしょうか。

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その他にも本屋に立ち寄って興味のある分野の新刊をいくつかチェックしたり、元コースメイトと夕食を共にしたわけですが、本日はいよいよ結婚式なので、その様子などについても明日ここでアップできればと思っております。

ここでC教授に聞いたジョーク(フィクション)を一つ。


===

スターリンがルーズベルトとある高いビルの上で会合をしていた。

スターリン: 君の国の軍の兵士たちは、君のために死ねるかね?

ルーズベルト: 前線に行って身体を張って銃弾を受ける訓練はできてますからね、戦いで死ぬ覚悟はできてると思いますけど。

スターリン: じゃあ「今このビルから飛び降りて死ね」と言われても死んでくれると思うかね?

ルーズベルト: いや、戦場で死ぬのは仕方ないと思いますけど、自国に残すことになる家族のためを思ったら躊躇するかも・・・

スターリン: うちの兵士は逆だな。喜んで飛び降りると思うぞ。飛び降りなかったら家族が危ないから。

====

ポイントは、民主制国家と全体主義国家の違いです。

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# by masa_the_man | 2016-06-04 15:30 | 日記 | Comments(0)

イギリスの左派がヘイトスピーチに走る理由

今日の横浜北部は快晴でした。夕方になってけっこう気温が下がったような気がしました。

さて、久々にブログを更新です。

パナマ文書の内容が一部公開されたり、オバマ大統領の広島訪問が決定したりと、国際的なニュースにおいては気になる話題が多いですが、今回は前回の放送(http://ch.nicovideo.jp/strategy2/live)でも触れた、イギリスの左派のユダヤ問題について少し。

この話の元ネタは、ニューヨーク・タイムズ紙のコラム欄に掲載された意見記事なのですが、そこで紹介されていた意見が、戦略論的にもなかなか考えさせてくれる内容だったので放送でもとりあげたというわけです。

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、つい先日行われたイギリスの市長選で、欧州の主要都市としては初の、イスラム系の市長(サディク・カーン氏)が誕生しました。

これは極めて画期的なことであり、国際的にも大きな話題になったところは記憶に新しいところですが、一般的には移民によって変わりつつあるイギリス社会の姿を象徴した出来事という見方や、イギリスという国のリベラル的な寛容性を示したものとして紹介されておりました。

ところがその一方で、放送でもとりあげたニューヨーク・タイムズの意見記事では、イギリスの左派を代表する労働党の中に、深刻な反ユダヤ主義(anti-semitism)が広がっている実態が紹介されております。

「え?左派って人種差別には厳しいんじゃなかったっけ?」

とお感じになった方もいらっしゃるかもしれませんが、それは実は正しい感覚です。

というのも、伝統的に「左派」というのは、人権のような「普遍的価値」(universal value)や「平等主義」(egalitalianism)を目指す、リベラルで寛容さを主張する考えを持つ人々のことを指すわけです。

彼らの「敵」は、特権階級のもたらす不平等や不公平であり、だからこそ一般的な労働者の立場にたって、人種差別のないリベラルな社会を政策で実現していこうと考えるわけです。

イギリスの労働党というのは、まさにこのような思想に立って活動をしている二大政党の一つであるわけですが、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムで紹介されていたのは、この労働党の実力者たちの間に最近「反ユダヤ主義」的な失言があったということ。

具体的には、イングランド北部のブラッドフォード地区選出のナシーム・シャー労働党所属議員の「イスラエルを国ごとアメリカに移してしまえ」という失言や、ケン・リヴィングストン前ロンドン市長が「ヒトラーは30年代までユダヤ人国家建設を目指すシオニスト運動を支援していた」という誤った歴史認識を披露したというものです。

「左派って、ナチスがやったような反ユダヤ主義には厳しいはずじゃ・・・」

という感想はまさにその通りでして、左派のリベラルというのは、本来このような人種差別を、「人権」や「平等」という概念を掲げながら徹底的に攻撃する役割を持っていたのです。

ところが最近、このような状況に異変が起こりました。

そしてその異変の原因は、労働党を始めとする左派のリベラルが進めてきた寛容(であったはずの)の移民政策にあります。

何度もいいますが、左派のリベラルの信奉する概念は、人権や平等、そして寛容な精神。

ところがその精神を拡大して、自分の国に移民を受け容れ、しかも寛容に扱っていたら、撲滅すべき「反ユダヤ主義」という人種差別が復活してしまったということなのです。

もちろんその原因は、リベラルの人々が同時に推し進めていた「多文化主義」という政策。

これは確かに「他の文化も認める」という意味で「寛容さ」を拡大したものとなるわけですが、イギリス(というか西欧全般)の場合、多数のイスラム系の移民が入り、彼らの文化にも寛容になった結果、彼らの(ごく一部でしょうが)過激な思想も野放しになってしまった、ということなのです。

その一つが、本来の左派のリベラルが忌み嫌っている「反ユダヤ主義」のような人種差別的思想。

イスラム系の人々は、パレスチナ難民に同情する反イスラエルの人々が多いので、必然的に彼らの反ユダヤ主義が、逆にリベラルな西洋の国家の中で野放しにされて拡大してしまった、ということなのです。

これはまさにルトワックの戦略論の核心にある「逆説的論理」(パラドキシカル・ロジック)に近いものです。

どういうことかというと、リベラルの人々は「寛容さ」を目指すがゆえに、「非寛容」な思想を持った人々を受け容れざるを得なくなってしまったということなのです。

もちろん目指していることが正反対の結果をもたらすことはよくありますが、イギリスの「反ユダヤ主義の撲滅を目指していたら、かえって反ユダヤ主義が蔓延してしまった」というのは、なんとも皮肉な現象であります。

今回ご紹介した例はかなり極端な例と言えるのかもしれませんが、これは何も国際政治や国内政治だけでなく、われわれ個人のレベルにも当てはまることではないでしょうか?

人間の生活には多かれ少なかれ、このような皮肉な結果をもたらす「逆説的論理」が働いていると想定してみれば、われわれが「表向きの短期的な問題の解決」ではなく、本質的なところまで見据えた「根本的な問題解決の方法」を考える際の、大きなヒントになるのではないでしょうか?
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(駅前の風景)



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# by masa_the_man | 2016-05-14 22:11 | 日記 | Comments(4)